OTC医薬品の分類区分について
更新日:2022年3月18日
「第1類医薬品は薬剤師が不在のため販売できません」などと書かれたPOPをドラッグストアで見たことがある方もいると思います。 そもそも1類、2類、3類などと分類名を言われても何がなんだかさっぱりわからないことも。
そこで今回はOTC医薬品の分類区分について、簡単に解説していきます。
目次
OTC医薬品のOTCとは「Over The Counter」の略になっており、カウンター越しに薬を販売する形態に由来しています。昔は「市販薬」「大衆薬」等とも呼ばれていました。
OTC医薬品の分類区分は4種類になっており、OTC医薬品と一言で言っても、副作用や相互作用などのリスクの程度によって細かく分類されています。
要指導医薬品
主にリスクが不確定なものや、医療用から一般用になって間もない医薬品、劇薬などがあります。販売は薬剤師に限られており、需要者の情報を聞き、書面による医薬品に関する説明を行うことが原則です。
ネット等での販売はできません。店舗でも、需要者が薬剤師の説明を聞かずに購入することがないよう、すぐには手の届かない場所に陳列などすることとされています。
・対応する専門家 薬剤師
・お客様への説明 書面での情報提供(義務)
・ネットなどの通信販売 ×
第1類医薬品
安全性上、副作用、相互作用などの項目で特に注意を要するものになります。需要者が薬剤師の説明を聞かずに購入することがないよう、すぐには手の届かない場所に陳列などすることとされています。販売は薬剤師に限られており、店舗では、書面による説明を行うことが義務付けられています。薬の例として、発毛医薬品やアレルギー薬の一部があります。
・対応する専門家 薬剤師
・お客様への説明 書面での情報提供(義務)
・ネットなどの通信販売 ○
第2類医薬品
安全性上、副作用、相互作用などの項目で注意を要するものになります。またこの中でも、より注意を要するものは、「指定第2類医薬品」となっています。薬の例としては、風邪薬や解熱鎮痛剤などがあります。
・対応する専門家 薬剤師または登録販売者
・お客様への説明 努力義務
・ネットなどの通信販売 ○
第3類医薬品
服薬時の副作用やリスクが少ない医薬品になります。副作用、相互作用などの項目において、第1類医薬品や第2類医薬品に相当しない一般用医薬品で、需要者の希望がない限り情報提供の義務はありません。薬の例としては、整腸薬やビタミン剤などがあります。
・対応する専門家 薬剤師または登録販売者
・お客様への説明 法律上の規定なし
・ネットなどの通信販売 ○
OTC医薬品の成分について
医療用医薬品とOTC医薬品とでは有効成分の含有量に違いがあり、OTC医薬品の有効成分は一般的に医療用医薬品の1/2から1/3の含有量となっています。これはOTC医薬品が原則患者の自己管理の下で服用されるためです。
また多くの医療用医薬品の1錠には、1種類の有効成分しか含んでいませんが、多くのOTC医薬品は、1錠(または1包)に複数の有効成分が含まれる配合剤であることが多いです。
例えば風邪薬の効果として、熱、鼻水、せき、鼻づまりなど風邪に効く成分だけでなく、ビタミンまで配合されているタイプのものもあります。
注意点
OTC医薬品は医師の処方箋が必要ないことから、基本的に自分で選んで購入することが可能です。いわゆるセルフメディケーションに活用できるというメリットがありますが、一方で自己管理の下での服用になるため、副作用等のリスクがあるという側面があります。
そのような薬でのリスクを避けるためには、説明書に書かれている用法・用量をきちんと守ることが大切になります。また分からないことは自己判断せず、薬局の薬剤師等、専門家の指導を受けながら利用しましょう。
あと、肝機能や腎機能が低下している人、過去に重い副作用を起こしたことがある人、アレルギー体質の人や、妊娠している人などはOTC医薬品であっても注意が必要です。このような人がOTC医薬品を購入する際には、分類区分に関わらず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
たまに聞くスイッチOTCとは?
これまで医療機関等で使われていた医療用医薬品のうち、 医師の処方箋なしで使っても安全なものを一般用医薬品に転用した医薬品のことです。医療用から一般用に転用(スイッチ)したということから「スイッチOTC」と呼ばれています。購入の際には、薬剤師から注意事項の説明を受けて、用法、用量を守って服用することが大切です。。
まとめ
OTC医薬品は、安全につかうことで、セルフメディケーションを積極的に健康管理に取りいれていくことができます。
なお、弊社サイト、運営薬局でもOTC医薬品を扱っておりますのでご活用いただければ幸いです。